少年法いる?いらない? 少年犯罪を題材にした映画 オススメ10選

少年事件が起きるたび、新聞やメディアは大騒ぎします。
しかし、結局あの事件はなにが原因だったのだろうといまだにわからないということが多くありませんか。

少年たちが犯罪を起こす原因は、映画やゲーム、漫画・アニメのせい。ネットやSNSのせい。親の育て方、片親に問題があった。虐待されていた。いや、その子に精神疾患があった。アスペだった。いやいやサイコパスだった。学校でいじめられていた。不良グループにいた。薬物をしていた。ネットで武器を簡単に入手できるから。貧困や格差社会が悪い。教育が悪い。実名報道しないからダメ。メディアが騒ぐからいけない。もっと加害者を制裁しないと・・・などなど事件が起きたときだけ熱心に語られるますが、で、なんだったんでしょう?

様々な専門家がいろいろ言いますが、で、結局なんで事件が起きたのかわからない。
「誰でもいいから殺してみたい」と、理由のない殺人をした本人もわかっていない。
その間に次から次へと事件が起きて忘れ、いつの間にその子たちは出所し、どう更生されたのか世間がまったく知らないまま、ある日、隣人になっていたりする。

選んだ映画は、どれも答えのないものです。これが正解というものはありませんが、考えるきっかけになるようなものを10作品選んでみました。

1.未来を生きる君たちへ (監督:スサンネ・ビア)

未来を生きる君たちへ

いじめられっ子の少年エリアスを助けるため、いじめっ子に過剰な報復をした転校生のクリスチャン。彼は大人たちに、「殴られて殴り返していたらキリがない。そうやって戦争が始まるんだ」と暴力を振るったことを叱られる。けれど、彼はこう言い返した。
「最初が肝心なんだ!」
たしかに彼の言うとおり、そこでいじめは終わった。彼が転校してくるまで、親も学校もエリアスのいじめに対処していなかったのだとわかる。
クリスチャンには、あることがきっかけで大人を信じていない。嘘やまやかしばかりで、本当のことを大人は教えてくれない。
大人になっても理不尽な暴力をふるう人間がいる。そういった人間にどう対処すればいいのか。「ヤツは殴るしかできないバカだ。殴り返す価値がない」と説得力に欠けたことしか教えられない。理不尽に殴られれば、大人でも本当は叫びたいくらい悔しいのに。
本当に無視していれば済むのか?平和を唱えていればいいのか?何発も頬を張られても交渉を続けていればいいのか?
それで暴力は止むわけがない。
「だって、あいつ自覚してないよ」とクリスチャン。
理不尽な暴力には、どうすればいいのか?

2.少年と自転車 (監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ)

少年と自転車

父に育児放棄された11歳の少年シリル。父に捨てられて現実を受け止めきれず、施設を何度も脱走して父を探す。彼は知りたかった。
自分のことを父は愛しているのか?
ずるい父ははっきり答えない。自分たちを引き裂くわけは、貧困であると思わせる。
本当は、「育てられない」ではなく、「育てる気がない」と伝えられない。
かわいそうなシリルの週末里親になるサマンサ。父親にはっきりと告げさせた。「シリル。おまえが重荷だ」と。
シリルは父に拒絶され、混乱し暴れる。絶対にあると信じて疑わなかった親の愛を得られない絶望。そんな彼に近づく不良少年。甘い言葉で誘い、彼が必要であると言い続け、シリルに強盗をさせる。
大切にしてくれるサマンサを裏切ってまで犯行に及んだ彼が、手にした分け前の金を持って向かった先は・・・やはり父だった。
サマンサは、シリルを我が子のように考えていた。だが、彼にはまだ愛が足りなかったと思い知る。反応性愛着障害の苦労がわかる。

3.エレファント (監督:ガス・ヴァン・サント)

エレファント

日常の高校生活の中で起きた銃乱射事件。
酔っぱらいの父に振り回される高校生のジョン。淡々と高校生活を過ごす写真部のイーライ。リア充カップルのネイサン&キャリー。陰口をたたかれて過ごすミッシェル。抜け駆けは許さずいつも一緒にいたいギャル軍団。スクールカーストはあるかもしれないが、様々な学生が色んな思いを持って高校へ通っている。そこには小さな不満から大きな不満まである。
けれど高校へ行けば、それは一緒くたにされ埋もれる。
いじめにあっていたアレックスとその親友エリックが、銃を手に入れて怒りを爆発させたのは、単なるいじめによる復讐とは思えない。この世界に対するあきらめとも感じる。
コロンバイン高校銃乱射事件をテーマにした作品。
なぜ起きたか、では語れない。事件が起きる要素は、子供たちが集まればどこでもあり、集団の中にまぎれて大人には見えない。

4.ディス/コネクト (監督:ヘンリー=アレックス・ルビン)

ディスコネクト

個人を特定するのがSNSの誕生によりさらに容易になった昨今。それは犯罪のターゲットにもされやすくなった。
リアルな友人がいないベンは、ある日突然、悪ガキのジェイソンに目をつけられる。そしてSNSでジェシカになりすました彼に、孤独な心をもてあそばれる。
やる側も、やられる側も、みんな誰かに話を聞いてほしくてネットの世界に居場所を求めていた。
リアルな世界が、あまりにも他人に無関心だということ。
人は、リアルにその人を失うとわかってはじめてリアルな声に耳を傾ける。
大人も子供もそうなるまで余裕のない生活を送っている。
現実世界は、”誰も助けてくれない”。そんな諦めが蔓延し、SNSや出会い系サイトをよりどころにする人が出てくる。
そしてそんな世界でも生きられる環境を犯罪者は用意し、行き場を失った者たちを食い物にする。
1日に2万5千人が個人情報を盗まれているという現実がある。
ネットがすべて悪いわけではない。だが悪いものもある。
その見極めができる精神状態の人がどれだけ今ネットを利用しているだろうか。

5.16歳の合衆国 (監督:マシュー・ライアン・ホーグ 主演:ライアン・ゴズリング)

16歳の合衆国

恋人の弟を殺してしまった少年。弟を殺されてしまった家族。
その間に理由があれば、少しは変わっていたのだろうか。
少年には明確な動機がなかった。
ただ、その人物が気の毒に見えた。世の中は悲しみにあふれている、そう思った。
セリフ一つひとつに考えさせられる。
だが、少年に言いたい。
「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」
おまえの見ている世界がすべてではない。世の中が悲しみにあふれているのではない。おまえが悲しんでいただけだ。
そんな彼に待っているラストは……

6.ある子供 (監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ)

ある子供

20歳のブリュノは子供よりも子供で無邪気だった。
彼は、子供ができたら必然的に親になるということを理解していない。大人になれということではない。いやでも親になるのだ。親は、子を養わなければいけない。
それがわからない彼は、彼女に散歩を任され、お金がないことに気づき、そういえば子供を養子に出せばお金になることを思い出す。
「今すぐ売りたい」
そう頼み込み、いとも簡単に売ってしまった。
家に戻るブリュノ。我が子がいないことに卒倒する彼女だった。
彼には決定的に、愛がない。そして何より、想像力がない。色んなケースがあるが、虐待の構図と似通う。
どうしても愛がわからない人が、この世界にはいる。それがパートナーになるということもある。
彼は彼女に言う。「(子供を売ったこと)怒ってる? そんなにこだわることかい?」
子供が子供を産んでしまった悲劇である。

7.バスケットボール・ダイアリーズ (監督:スコット・カルヴァート 主演:レオナルド・ディカプリオ)

バスケットボール・ダイアリーズ

ミッションスクールに通うジム。彼にはバスケットボール選手の才能があった。詩集を出したいという夢もあった。にも関わらず、仲間とはじめた薬物がきっかけで転落していく。皮肉なことに、キメると詩がどんどん浮かんでしまう。彼はのめり込み、自制できない状態。大事なバスケの試合でも使用し、足元がおぼつかない醜態をさらして退学になる。
やがて完全な中毒になり、犯罪をして金を手に入れるが、仲間が捕まる。だがまたすぐ薬に消えた。
そして彼はかつてバスケ仲間だった友人が、彼らの誘いを断って打ち込んだバスケで頭角を現したのをテレビで知る。自らの情けない姿を自覚してもやめられない。レジーという命を救ってくれた恩人をも裏切り、嘘をついて、人を騙して、薬を手に入れようとする。
薬物ははじめたら、やめられない。更生とはなにか。あらゆる中毒者は、死ぬまでやらなかったとき初めて更生と言えるのかもしれない。

8.BOY A (監督:ジョン・クローリー)

BOY-A

悪魔の少年Aが釈放された――
学校にも家にも居場所がなかったのろまな彼が出会ったのは、暴力的なフィリップという少年だった。
犯罪が起きるとき、必ずネガティブ同士が惹き合う。そして暴走し、それを止められない。彼らは10歳の少女を殺害した。
釈放された少年Aは、ジャックと名を変え、過去を捨てて新たなスタートを切る。
支えてくれるソーシャルワーカーのテリーは、彼の父親代わりだ。
ジャックは、運送業の仕事につく。そこでクリスという友人ができる。そしてミシェルという職場の女性とも恋に落ちた。
やがて彼の心を苦しめるのは、過去の自分。偽りの自分でいいのだろうか。愛している人に嘘をついたままでいいのだろうか。
彼は、テリーに相談する。すると自分が懸賞にかけられていることを知る。世間は彼を許していなかった。
根が素直で真面目な彼は、仕事中に交通事故にあった車から少女を救出する。それがマスコミに取り上げられ、正体がバレてしまった。
その結果、築き上げた友人も恋人も離れた。世間が彼を追いかけまわす。それが現実だった。過去は切り離せない。
更生とはなにか? ラスト、彼の下す決断しか過ちを犯した者にはないのか?

9.息子のまなざし (監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ)

息子のまなざし

職業訓練所で木工を教える先生のオリヴィエ。そこへやってきたフランシスという少年。
オリヴィエは彼の正体にすぐ気づいた。幼い我が子を殺したあの少年だ。
しかし、フランシスを問い詰められない。他の子供たちと変わらないように見える。まじめに訓練も受ける。
そこへ元妻が現れた。子供が生きていれば、二人の関係もちがったかもしれない。オリヴィエは元妻に、自分の訓練生にフランシスがいると話す。当然、彼女はなぜそんな子に教える筋合いがあるのだと怒る。そうだなとは納得するものの、やっぱりフランシスを前にすると言えない。彼は木工が好きになり、まじめに取り組む姿を見て、休日に材木店へ誘う。だがそこでなぜ少年院にいたのかを聞き出し、はじめて我が子が殺された理由を知る。そしてついに、フランシスにおまえが殺した子供は俺の子だと話した。
被害者家族にとって、少年Aの更生はどのように受け止められるのか? 死んでしまった被害者は父をどう思うのか? 父はそのまなざしにどう応えるのか。

10.真実の行方 (監督:グレゴリー・ホブリット 主演:リチャード・ギア、エドワード・ノートン)

真実の行方

大司教惨殺事件で逮捕された聖歌隊の青年アーロン。
世間が注目する弁護を引き受けたマーティンは、彼が二重人格であることに気づく。
本当の彼は大人しい気弱な青年だ。悪いのは、性虐待によるトラウマから作られたもう一つの人格。大人たちは、まだ子供であるという色眼鏡で対応しがちだ。人は固定観念に縛られている。そして相手が子供であればあるほど、性善説を信じやすい。
だが世の中には、25人に1人、良心を持たない人がいることを知っておくといいだろう、という教訓の映画。


サイコパスに、普通の人間は勝てません。

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