『やまとなでしこ』 再放送されないドラマ 名シーン・名ゼリフ集1
作品紹介
やまとなでしこ
2000年 フジテレビ
脚本:中園ミホ、相沢友子
神野桜子(27) 松嶋菜々子
中原欧介(35) 堤真一
塩田若葉(23) 矢田亜希子
東十条司(30) 東幹久
佐久間為久(39) 西村雅彦
佐久間真理子(33) 森口瑤子
粕屋紳一郎(35) 筧利夫
貧乏が大嫌いな合コンの女王、神野桜子は、最高の玉の輿に乗るため、連日お金持ちとの合コンに励んでいた。彼女にはすでに東十条司という大病院の御曹司の婚約者がいるのだが、もうワンランク上の金持ちとの出会いを求めていると、そこへ中原欧介が現れる。桜子は一目で恋に落ちる。彼のつけていたピンに! それはお金持ちの証である中央競馬会の馬主のピンだった……。
欧介も桜子に一目惚れ。昔の恋人、ゆきこにそっくりだった。しかし、本当の欧介はお金持ちではない。潰れる寸前の魚屋。身分を偽り、大金持ちのお得意さんが忘れたピンを偶然胸につけて、合コンに参加していただけだった。
桜子はそれを知らずに婚約者と別れ、猛アタック。欧介も本当のことを言えないまま、2人はキスをする。
だが、欧介の嘘はバレてしまう。貧乏が大嫌いな桜子は、きっぱりとあなたとはご縁がないと断るのだが、彼女には一つだけ気がかりなことがあった。それは、亡き母が教えてくれたこと。
『お金より、もっと大切なものがある。お金じゃ買えない、たった一つのものよ』
彼女はそれが何なのか、欧介と出会い、たった一つの大切なものを見つけるようとする。そして、幼い頃から繰り返し夢に現れる、あの王子様はいったい誰なのか。桜子は本当の恋に落ちていく――
桜子は、動機も目的も単純明快でわかりやすく、当時の時代背景や女性観もうまく捉えていて、視聴者から愛されていた。
彼女が、お金よりも大切なたった一つのものを求め、葛藤し、悩み、苦しむ姿に視聴者は共感した。
なぜなら、わたしたちも生まれた時から、実はその”たった一つの大切なもの”を見つけるために生まれたと思っているから。
恋愛ドラマの鉄則は、いい人ほど振られてしまう、ということ。これが切なさを演出する。
東十条も若葉もものすごく最高にいい人たち。
しかし、そんないい人を振ってまで、自分の思いに正直になり、好きな人のもとへ行きたい衝動を抑えられなくなるのが恋だということ。
再放送は、大人の事情でされることはないと思われますので、ここで名シーンと名ゼリフを振り返りたいと思います。
本当は、全巻レンタルしてみてほしい。その際は、『ノッティングヒルの恋人』も併せて借りるといいでしょう。
やまとなでしこ 名シーン・名セリフ集 (前半)
(第1話)桜子の合コンテクニック……
だが目は、男たちの高級時計、ブランド靴、名刺入れ、そして高級外車のキーを見定めている。そして、狙いを定め、
と、最高の笑顔を向け、男がその微笑に見惚れている間、熱いコーヒーを彼の手にこぼす。冷たいおしぼりで手を拭ってやり、いたわると、ものの数分で男を落としてしまう。
熱いものをこぼすのは、やけどが残って、桜子を忘れさせないため。考え尽くされた合コンテクニック。
(第1話)桜子が落とした金持ちの男はかなりのブサイク。CAの同僚が、あれはないというのに対し……
若いCA「やっぱり顔と性格、それと洋服のブランドは一応チェックします」
同僚「じゃあ、なに? 桜子のいう本物の恋って」
一同「……はい?」
(おもしろいけど中略)
ぐうの音も出ない一同……
(第1話)欧介がしている馬主のピンを見て……
と、お鍋の熱々の汁をこぼし、欧介をお持ち帰り。
その翌日、桜子は欧介を勘違いしたまま、彼が連れてってくれた釣りデートを楽しみ、
そして、東十条のプロポーズを断る桜子だった。
(第1話)欧介は、桜子に自分はお金持ちではなく、貧乏な魚屋だと伝えたいがなかなか言い出せず……
大きくうなずく欧介。
けれど、欧介は本当のことを言いたい。言わなくちゃ、と焦る。一方の桜子の気持ちは止まらない。
そして、桜子からのキス。
欧介は、言わないと決めた……
(第2話)深夜、デートの帰り道で……
そう言って彼女は、閉門した公園へ欧介を誘う。
二人きりの公園デート。ボートの上で欧介が優しく語っていると、彼女は安心したように眠る。桜子は、本当はどんな女性なのか。彼が黙って見つめていると、ふと目を覚ました彼女が立ち上がり、ボートから二人とも池に落ちてしまった。
と、うれしそう。欧介も笑ってる。
そして二人は見つめ合い、静かに歩み寄り、キスをする。
(第2話)池に落ち、濡れて帰る早朝の代官山で彼らは別れる。欧介は彼女を見送る。桜子、それに気づいて振り返り……
欧介は見送りたくて、彼女を優しい表情で見つめる。
欧介、微笑み、「じゃ」と言い、ようやく別れるが、彼らは名残惜しくいつまでも見つめ続ける。
(第2話)その日、東十条から欧介が魚屋だと聞かされた桜子。彼女は欧介を信じたい……。けれど、たしかめに魚春へ向かい、彼に電話をかけた……
桜子は深刻な表情で顔をあげる。視線の先には魚屋。そして嘘をつき続ける欧介の姿が……。
ショックを受ける桜子は言葉を失っている。必死に弁明する欧介。
と、満面の笑みで去る。
(第3話)桜子をストーカーから助けた欧介だが……
桜子は去ろうとするが、欧介は引き止めて、
桜子、ゆっくり無言で振り返る。
(第3話)東十条との結婚を決めながら、合コンを続ける桜子に対し、若葉たちがなぜそんなにお金に執着するのか桜子に問う場面……
一同、言い返せず……。
(第3話)過労で倒れた桜子は、欧介に担ぎ込まれて入院する。欧介に付き添われる中、彼女は貧乏が嫌で嫌でしかたなかった少女時代の夢を見る。顔の見えない男性が、少女の桜子に近づき……
手を伸ばす桜子の手を握る欧介。彼は一晩中握り続けた。が、桜子が目を覚ましたとき、手を握っていたのは東十条だった。
握られた東十条の手を見つめ、
東十条は、それが欧介だったことに気づいていながらうなずく。
桜子は勘違いしたまま、欧介が持ってきたアンティークおもちゃのカメレオンも東十条のプレゼントと勘違いしてしまう……
(第4話)MITの同級生の結婚式に出席する欧介。そこに桜子たちもいた。欧介は新郎にスピーチを頼まれる。そして、名スピーチが生まれた……
(第5話)漏電から火事になった桜子の部屋。彼女は、洋服を取りに部屋へ戻ろうとするのを欧介が引き止める……
欧介、それを聞いて決心、アパートの中へ向かう。が……
欧介、火の中へ入っていく。
そして彼が持ってきたのは、二人が出会ったときに桜子が着ていた服だった。
長くなりました。
後半の名シーン・名ゼリフ集へ続きます!