『恋ノチカラ』 再放送になると絶対見ちゃうドラマ 名セリフ集
作品紹介
恋ノチカラ
2002年 フジテレビ
脚本:相沢友子
本宮籐子(30) 深津絵里
貫井功太郎(35) 堤真一
倉持春菜(23) 矢田亜希子
木村壮吾(25) 坂口憲二
吉武宣夫(40) 西村雅彦
「この世に生まれて30年と6ヶ月19日。もう恋をすることなんて、ないだろうと思っていた」
30才を過ぎた本宮籐子は、大手広告代理店に勤めるものの、結婚も恋愛もできず、仕事も楽しくない日々を過ごしていた。そんなある日、同社の人気クリエイター・貫井功太郎が独立し、その会社にどういうわけか籐子が引き抜かれる。ところが、初出社したその日、人違いで採用されたと知る。しかし、もといた会社に戻れるわけがなく、貫井企画に居座り続ける籐子。やがて、仕事バカの貫井から仕事への信念や生き方を学び、貴重な30代をどう過ごすのか自分と向き合い、そして忘れかけていた恋愛の楽しさに気づいていく――
どういうわけかレンタルDVDになってないので、いつも再放送を待ってるドラマがある。恋ノチカラだ。ラブコメとしても優れているし、なにより30代の働く世代のライフスタイルをポジティブに描いた素敵なドラマだと思う。何回も見ているのに、なんか毎年見たくなる。10年以上も前の作品だが、30代になった今、改めて見ても共感するところが多い。今回はいつでも振り返れるよう気に入ったセリフ集を残しておこうと思う。
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恋ノチカラ 名セリフ集
(第1話)大手広告代理店のユニバーサルから独立した貫井が当時の仕事ぶりを振り返るシーン……
貫井
「忙しいことはいいことだけど、あんなに仕事量が増えちゃ、ひとつひとつのクオリティーは下がる一方だよな。なんかさぁ、自分がどんどんダメになっていくような気がする。いくら金が稼げたって、人から評価されたって、俺が楽しくなったら意味がない。そういうの、やっぱりわがままなのかね〜」
貫井
「俺さ、ただ自分の創ったものに愛情持ってたいだけなんだよ。胸張って、これかっこいいだろって言ってたいだけなんだよ」
(第1話)ユニバーサルに戻ることした籐子。そのときの吉武……
吉武
「あなたの選択は賢明ですよ。人は誰でも夢や理想だけを追って生きたいと思っている。しかし現実はそんな生易しいものじゃない。そんな生き方をできる人間なんて存在しやしない。あなたいくつですか?」
吉武
「そうですか。年齢っていうのは私たちから確実に可能性を奪っていってしまう。それを補ってくれるのは安定と保証だけだ。そうじゃないですか?」
(第1話)ユニバーサルの妨害にあい、仕事を失う貫井。彼はもうこの事務所は終わったと言う。だが……
籐子
「終わってないわよ! まだ始まってもいないじゃない!」
(第2話)船上パーティーで吉武に会った籐子は貫井の邪魔をしないでと言う。だが……
吉武
「あいつは現実の厳しさを知るべきだ。世の中には踏みつけにされたり、自分を殺したり、夢を奪われたりしている人間が山ほどいる。やりたいことだけやって生きていこうなんてこの社会で許されていいわけないんだ!」
(第2話)女好きの壮吾が取り付けたクライアント先の娘との食事会。彼はそれをきっかけに仕事を取ろうと考えていたが、行けなくなり貫井に頼む。だが彼は女が苦手な上に交渉下手だった。女をたらしこんで仕事をもらうなんてごめんだと、籐子に怒鳴る……
籐子
「楽な方ばっかり選んでるのはお互い様じゃない。結局、貫井さんのやってることって、前の会社にいた時のコネにしがみついてるだけですよね」
貫井はさらに怒るが、籐子も負けず、
籐子
「カッコつけてたら、10年経ってもまともな仕事になんかありつけませんよ!」
貫井は黙り込み、行くことになる。
(第3話)籐子には毎日見るテレビ番組があって、それは自分の身に降りかかった悲劇を話す番組。春菜がこの番組好きですね、というと、籐子はこう答えた……
(第3話)籐子が春菜の兄とかつて付き合い、25のときにプロポーズまでされたが、結婚は今したくないと保留にした過去があった。それから遠距離恋愛で3年が経ち、仕事が思うようにいかず限界を感じた籐子は彼との結婚を決心。だが、彼に好きな人ができ振られてしまった。その話を聞いていた貫井は渋い声で……
貫井
「当然の成り行きなんじゃないか。誰だって自分に限界を感じてる女に魅力は感じないだろ。仕事が辛くなったから男に養ってもらおうなんて、結婚を逃げ道にされたらたまんないだろうな」
籐子
「そうですよねー。わたしもそう思います。あーあ、25のときに素直に結婚しておけばよかったなー。後悔先に立たずってやつね」
貫井
「同じだよ。結婚してても同じだよ。後悔するやつはどんな答えを選んでも結局後悔するものだ」
籐子
「自分だって、ユニバーサル辞めたこと後悔してるくせに」
貫井
「後悔なんてしてない。俺はたとえ自分が選んだ答えが間違っていたとしても後悔しないように貫いてみせる。絶対に諦めたりしない」
(第4話)営業やクレーム処理ができないクリエイターの貫井と壮吾は、貫井企画に営業担当の必要性を感じていた。籐子は、ユニバーサルにいる吉武を引き抜こうと提案する。以前は同じ仲間で貫井の味方だった彼だが、今は貫井企画をことごとく邪魔する敵。そんな吉武を悪く言う貫井たちに対し……
籐子
「わからないんですよ。貫井さんにはわからないんですよ。貫井さんが今当たり前にしていること、どうやってもできない人たちっていうのがいるんです。自分がしたくてもできないことを目の前で楽しそうにやられたら、誰だってうらやましいと思います。うらやましいと思ってることがまた悔しくて、腹ただしくて……。そういうのが度重なったら、もしかしたら、憎しみや恨みの感情が湧いてきちゃうかもしれませんよ」
壮吾はハテナ顔……
貫井
「そいつらが持っていないもの、仮に、俺が持っていたとしても、それは俺のせいじゃない。俺だって何かを手に入れたり、手に入れたものを守るために必死で努力してるんだ。それは単なる逆恨みだよ」
籐子
「貫井さんの言ってることはいつも正しい。でも、世の中の人は、みんな貫井さんみたいに正しく考えて、正しく行動できるわけじゃないんです。頭では仕方ないとわかってることでも、なんか、なんかこのへんがモヤモヤして、そのモヤモヤが全身を覆い尽くしちゃって……。それで正しいことが正しく思えなくなるっていうか。えっと……、正しくないのにそれを認めざる得なくなるっていうか……。とにかく、そうしないと、苦しくて身動き取れなくなっちゃうんですよ、きっと……」
壮吾、大きくうなずく。
籐子
「わたしだってわかりません! ……吉武さんは、貫井さんになりたいんですよ」
(第5話)寄った勢いで貫井とキスをした籐子は、親友の真季にその話をすると……
真季
「30過ぎると、飲み過ぎたかもって思ったときにはもう遅いのよ。えへへっ。飲も!」
(第6話)セレモニーで使うフェンネルの種が届かないトラブルに見舞われた壮吾。籐子と二人でなんとか種を集めようとしていたところ、貫井が事務所に戻ってきた。彼は、春菜とデートしていたはずだが……。事態を知った貫井は激怒。デート中だから報告しなかったという余計な気遣いに、「そんなくだらないことのために俺を呼ばなかったっていうのか」とさらに怒る。そして、フェンネルの種以外の代用を考える。思い入れがある企画だけにそれじゃ意味がない!という壮吾は貫井と意見がぶつかる。それでも貫井はセレモニーを成功させるためには時間がなく、代用以外は無理、どうせ風船につけて飛ばすだけだから「なんだっていい!」と譲らないでいると……
籐子
「なんでもいいってどういうことですか! このセレモニーは、木村くんのアイデアなんです。他の人から見たら、ハーブなんて大したものじゃないかもしれないけど、木村くんにとっては、代わりのきかない大切なモノなんです。それを無視していいんですか。いくらお金や評価をもらえても自分が楽しくなかったら意味がないって、貫井さんだって言ってたじゃないですか。本人がやるって言ってるんです。やらせてあげてください」
(第7話)貫井に広告を依頼してきた大手旅行会社の社長。しかし彼は広告に自分の孫娘をモデルとして使ってくれと要求する。貫井は打ち合わせを終えて、営業でとってきた吉武に、やりたくないとあっさり言う。だが経営危機の貫井企画。これを逃せば倒産するかもしれない……
吉武
「お前ひとりでやってるつもりか。この事務所はお前ひとりのものだとでも思ってるのか。いいか、貫井。お前がユニバーサルのいち社員だったときとは立場が違う。今のお前は、木村や本宮、俺の人生を背負ってんだ。それを背負ったまま崖から飛び降りようってのか。独立をするってのはそれだけの責任を背負うってことだ。ユニバーサルを出て自由になったつもりでいるかもしれないが、大きな組織に所属していて守られる自由もあるんだ。嫌だから辞めるなんて理屈がどこでも通用すると思うなっ!」
貫井は社員のためにその理不尽な仕事を引き受けた。改めて、いつもあんな理不尽なクライアントの要求に頭を下げている吉武に感心する貫井と籐子。営業のすごさを思い知った。ところが吉武はもともとクリエイター志望だったという。
貫井
「自分の希望とは違う仕事なのに、気持ちを切り替えて結果を出せるなんてすげーよなー」
貫井は社長の孫娘をモデルにした広告を作ったが、その出来に不満の社長。すると、他社がつくった広告デザインを真似し、写真を孫娘に差し替えるだけでいいと言われる。まったく貫井がやる意味がない……。それでも社員のために従う貫井。彼の辛さに気づいた籐子は、クライアントに作品を持っていく吉武を引き止めた。
吉武
「ときにはこういう嫌な仕事も受けなければ、会社としてやっていけないんだよ」
籐子
「吉武さんはなんのためにユニバーサルを辞めたんですか。ユニバーサルにいたときと同じ仕事をしてるなら、ユニバーサルにいたほうがずっといいですよね。だって、高いお給料がもらえて、おまけに安定と保証がついてるんですから。あたしなら絶対に辞めたりしない。でも、でもわたしは、貫井企画を選びました。それはたぶん、ここにしかない何かがあるって思ったからで。それがなんなのかはまだよくわからないけど、でも、貫井さんについていけば、きっと見つかるんじゃないかって。そんな気がしているんです。……わたし、貫井さんの生き方が好きです。自分勝手で、自信過剰で、甘ったれてて、単純バカだけど、でもそれが、貫井功太郎なんです」
それでも吉武は会社のために、その作品を届けに行く。それを見た社長が、真似ろといった広告とロゴの位置が違うことに不満を示す。吉武がまったく一緒というわけには貫井が……、作り手の気持ちとしましては……、と苦笑いで反論していると、社長は乱暴な物言いで、「作り手の気持ちなんて興味ないよ」と言い放つ。さらに、「君が直せばいいだろ適当に」と言われ……
吉武
「クリエイターをなんだと思ってるんだ……。クリエイターをなんだと思ってるんだ!」
と、怒鳴りつけて仕事を断った。
(第8話)突然、ミラノから戻ってきた元カレに、もう一度プロポーズをされた籐子。一人悩む彼女は、貫井に尋ねる……
籐子
「貫井さん。この事務所はわたしがいなくなっても別に困ったりしませんよね?」
貫井
「もっちろーん! だからミラノでもどこでも好きなところに行っていいぞ」
貫井
「……。お前の好きなようにすればいいんだよ。好きな場所で、好きなやつと、好きなように生きればいい。俺はそれを……、俺たちは、それを望んでるから。いつもうまく言えなくて、からかったりとかして、不愉快な思いをさせてたら、すまん」
貫井
「俺たちのことは気にするな。自分の幸せだけを考えろ。以上っ」
(第9話)クリエイター貫井功太郎も世代交代が叫ばれはじめ、貫井企画にくる仕事も壮吾ばかりで、すっかり自信を失った貫井。みんなから腫れ物に触るように扱われ、やけになる。ユニバーサルにいたころもてはやされていたのは会社のおかげだった。自分に実力があったのは勘違いで、幻想だった。俺には才能がなかった。もう事務所を抜ける、と言い出した……
籐子
「貫井さんが今まで作ってきたものたちは、そんなに簡単に捨てられちゃうものだったんだ。貫いてきた理想も信念も、中身は空っぽの見せかけだったんだ。勘違いだった? 幻想だった? まったくその通りですよね。そんなもの真に受けて、ずっと憧れてたなんてバカみたい。がっかりした!」
(第10話)貫井と付き合ってる春菜は、籐子と貫井の関係にずっとやきもちを焼いていた。春菜は、貫井にとって自分は何なのか……と投げかけ、貫井を困らせるほど厄介な状態……。すると、図書館司書を目指してるあなたが好きです、と貫井に言われる。それで元気を取り戻した春菜が翌朝、籐子に会い……
春菜
「このままじゃいけないと思ったんです。結局、自分に自信が持てないから、余計なこと考えて、その考えに振り回されちゃうんですよね。貫井さんが言ってくれました。図書館が好きだって言ったわたしのことを好きだって。だからわたし、これからはもっと努力します。もっとまじめに勉強して、今の仕事もちゃんとやって、それで貫井さんが好きだって言ってくれたそういうわたしを、もっと大事にしようと思います」
(第10話)突然、貫井企画を辞めることを決めた籐子。なぜなのかを親友に打ち明ける……
籐子
「貫井さんが……好きなの。なに言ってんだろうね、30にもなって。ほんと、自分でも信じらんないんだけど、でも、好きになっちゃったよ。……最初はさ、恋人になんかならなくてもいいから、女として見てもらわなくてもいいから、貫井さんの近くで、貫井企画でがんばろうって思ってたんだよね。それがいつか仕事の上で信頼できるパートナーになれたらいいなーて。……でも、苦しいんだー。笑ってんのが辛くてさ。……もう、やんなっちゃう。こんなんだったら口もきけないでいたほうがよかったよ。遠くから憧れてただ見てるだけのほうがよっぽどましだった」
(第11話)貫井にフラれた春菜は、籐子を訪ね、貫井に思いを伝えるべきだというが……
籐子
「言えないよ。後先考えずに、相手のこと考えずに、ただ好きだって、素直に言える歳じゃなくなっちゃったよ」
(第11話)貫井が商品開発したえんぴつネズミが謎のヒットを飛ばし、貫井企画は経営を持ち直す。そのお祝いパーティーで久しぶりに再会する籐子と貫井。二人きりになり、貫井が戻ってこないかと誘う。ところが、籐子は貫井企画を辞めた本当の理由、つまり、貫井が好きで辛いということを打ち明けた。そして人違いで貫井企画にやって来たことを感謝する。仕事に夢中になれたり、本気で人を好きになったり、貫井企画に来れたことはわたしにとって奇跡だったと話す……
貫井
「奇跡だったよ。俺にとっても。……お前がいてくれて、その、あの……。なんでかな。お前とこういると、おもしろいものがよりおもしろく。おいしいものがよりおいしく。2倍、にば……。ちがうちがう、そうじゃない。……とにかく、お前といると楽しいんだ。毎日会ってるときはわからなかったんだ。だって、ここにいるのが当たり前だったから。お前はいつもここにいたし。これからもずっとここにいるものだと思ってたから」
思いもよらない答えに動揺する籐子はペラペラしゃべりだし、貫井が壁ドン、キス!
と、またキス。
さらに、籐子からキス、キス、キス。
(第11話)失恋の春菜は、籐子の親友真季と会い、ワインは1本空けることなど伝授される……
真季
「安心しなさい。男に捨てられても一人で生きていく術を教えてあげるから」
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