『やまとなでしこ』 再放送されないドラマ 名シーン・名ゼリフ集2

やまとなでしこ
2000年 フジテレビ

脚本:中園ミホ、相沢友子

神野桜子(27) 松嶋菜々子
中原欧介(35) 堤真一
塩田若葉(23) 矢田亜希子
東十条司(30) 東幹久
佐久間為久(39) 西村雅彦
佐久間真理子(33) 森口瑤子
粕屋紳一郎(35) 筧利夫


前半分の名シーン・名ゼリフ集は、コチラです。

多くの連ドラが視聴率で苦しんでいますが、このドラマは今やっても視聴率が取れそうな気がします。
視聴者が見続けてくれる決め手は、要はキャラクターです。愛されるキャラクターがドラマに必要なだけです。

やまとなでしこ 名シーン・名セリフ集 (後半)

(第6話)27のとき父が死に、MITにいた欧介が数学者になる夢を諦め、両親の恩返しに魚春を継ぐことを決めた話を桜子にするのだが……
桜子「ご立派な話ですけど、要するに、逃げたのね」
欧介「……! ……いま、なんて?」
桜子「成功してお金持ちになることから、あなたは逃げたのよ」
欧介「……」
桜子「ほーら、黙っちゃった。やっぱり」
欧介「ぼくが数学をやっていたのは、金持ちになりたかったからじゃなくて」
桜子「神様のチェスを探求するためでしたっけ? だったら最後までやればいいじゃない。特許取ったり、ノーベル賞取ったりすればよかったじゃない。ねえ、あの賞ってお金いっぱいもらえるんでしょ? 欲しかったんでしょ?」
欧介「(背を向けて)フィールズ賞なら欲しかったですけどね……」
桜子「あー、そっちのほうが儲かるんだ。ほーらね、やっぱりお金持ちになりそこねただけじゃない」

欧介「あ、も、も……、あなたとしゃべってるとこっちまでおかしくなりそうだ」
桜子「その言葉、そっくりそのままお返しします!」
欧介「……」
桜子「だいたい、ボストンまであなた何しに行ったの。途中で帰ってくるくらいだったら行かなきゃよかったじゃない」
欧介「……」

(第6話)ある人物により土地買収が進められ、魚春は懇意にしていた銀行から借金全額返済を求められる。もちろん、すぐに返済できるあてはなく、差し押さえ寸前になってしまった。ある人物とは、東十条家。桜子の婚約者がその地に病院を建設するためだとわかる。何もかもうまく行かず、お手上げの欧介。雨の中、放心状態で帰宅し、店のシャッターを開けようとするも、錆びついて開かない……。踏んだり蹴ったりの状況の中、彼に近づく赤い傘。……桜子だった。
欧介「(寂しい笑みを浮かべ)ぼくの負けです」
桜子「……!」
欧介「やっとわかった。あなたが正しかった」
桜子は黙って見つめる。
欧介「心より、お金ですよね」
と、目に涙がにじんでいるが、わざと笑みを見せる。
桜子は何も言わない。
欧介、こらえきれずに目を伏せる。

(第7話)借金返済をするため、一発逆転でのぞんだ競馬で失敗。欧介の母が倒れてしまった。意識不明で入院……。そこへ東十条家の人間として見舞いに訪れる桜子。意識を回復した欧介の母は、桜子を欧介のボストン時代の彼女、ゆきこと間違える。
そこで彼女から、欧介は頼りないけど一つだけいいところがある、と言う話を聞く……
欧介の母「欧介、貧乏だけど、きっとあなたを幸せにできるわ。お金じゃ買えない、たった一つのもので」
桜子「ひとつ、お伺いしたいんですけど、お金には変えられない大切なものがあるとしたら、そのたった一つのものって何ですか」
欧介の母「(ふっと笑い)それは、欧介と一緒にいたらわかるでしょう」

桜子は、幼少期、母との会話を思い出す。
幼少の桜子「貧乏はイヤ。わたし、お金持ちになりたい」
桜子の母「お金は大切なものよ。お金があれば、辛いことや悲しいことも、忘れられるかもね。でもね、桜子。お金より、もっと大切なものがあるの。世界中のどこにも売ってない大切なもの。きっとね、みんな生まれてくる前から、それを探してるの。お金じゃ買えない、たった一つのものよ」

(第8話)欧介と一緒にいればわかると言われ、”お金には変えられない、たった一つの大切なものを知りたい”と思う桜子。欧介が行くところへ連れてってもらい、二人は楽しむ。そして桜子の家に戻ると、彼女がボロアパートに住んでることを知らないはずの東十条が待っていた。彼は、二人の仲を疑い、病院建設を中止したのも欧介のためだったんだろ、と桜子を責め立てる。しかし、そんな彼女をかばう欧介……
欧介「今日はご迷惑をお掛けしたお詫びに、ぼくが無理矢理に誘ったんです。それから、マンションのことも……。ぼく、こう思うんです。好きな人によく思われたくて、はずみでつい嘘をつくことってよくあるじゃないですか。小さな嘘がだんだん大きくなっていって、自分でも本当のこと言わなくちゃって思うんだけど、言えなくて。――でもそれは、相手を騙そうと思って言ってるわけじゃないんです。嫌われたくないから。もっと好きになってほしいからなんです。わかりますか?」

(第9話)号泣の回です!
桜子は、父親が豪華客船の船長だと東十条家に嘘をついていた。実際は、富山で漁師をしているのだが、東十条家の印象が悪くならないよう、呼び寄せた父親に偽りの父を演じさせようとする。
桜子の父は娘に呆れ返り、偶然居合わせた欧介も桜子に思わず手をあげてしまう。
桜子は、協力してくれないのだと憤慨し、両家の会食の場に父はやってこないと思っていた。ところが、欧介に連れられ、父がやってくる。そして、娘のために偽りの父を演じきった。
桜子は、今まで受けた父の優しさ、愛情を思い出し、父が帰郷するバスへ向かう。
欧介に見送られていた桜子の父。そこへ桜子がやってくる。彼女の目には涙が……
父「桜子……。なんだよ。あ? おれ、なんかしくじったか?」
桜子「……」
父「どした? 心配すんな。父ちゃんな、もう二度とお前の前に顔出したりしねーから。父ちゃんのことは忘れて、あの大金持ちと結婚して、幸せになれ。桜子。おめでとう。よかったな。望みが叶ってよ。父ちゃんもうれしいよ」
桜子は、じっと父を見つめている。
父「お父様は、海へ落っこって死んじまったとでも言っておけ。な!」
と、泣き笑い。
父「もう会えねーかもしれねーんだからな。そんな顔すんな!」
桜子、唇を噛み締めている。
父「辛かったら、いつだって戻ってこい」
桜子、こらえきれずに涙をこぼす。
父「いや、そんなことねーか。おめぇは強い子だからな。元気でな。じゃあな」
と、バスへ乗り込む。
桜子「(追いかけて)父ちゃん、ごめん。嘘つかせて、ごめん」
父の目から涙。バスのドアが閉まり、出発する。
バス停に残った、桜子と欧介。
桜子は欧介に背を向けながら、
桜子「これでよかったのよ。かえってスッキリした。はあ。もう後戻りできない。今さら引き返せない。これで、帰る家も本当になくなっちゃったし。これでよかったのよ。わたし、ぜんぜん後悔なんてしてない。だって、あの家が嫌だから、あんな貧乏な生活が嫌だから、ここまで一人でやってきたんだもの。わたし、うまくやったじゃない。一番欲しかった夢が、もうすぐ叶うんじゃない。だから、ぜんぜん平気。お金より心が大事なんてみんなは言うけど、わたしそんなの信じない。たった一つの大切なものなんて、わたしにはわからない。……今のわたしには、東十条さんとの結婚以外、大切なものなんてなにもないの。この結婚しかないの。だから、もう後ろは振り返らない。絶対に」
欧介、真剣な顔で聞いている。
桜子「わたしは、うまくやったのよ」
強がる反面、桜子の目には涙があふれていく。
欧介「きっと、あなたの辛いこと、全部忘れられる日が来るから」
桜子「……!」
欧介「必ず来るから!」

桜子の目には涙の膜。いつも見ていた夢が脳裏をよぎる……。
夢の男性「泣かないで。ぼくがいつか迎えに来るから。きっと君の辛いこと、全部忘れられるから」
欧介に振り返る桜子。
桜子「子供の頃からずっと思ってた。いつか王子様が迎えに来て、貧乏なわたしを助けに来てくれるって。それは、それは……」
と、欧介を見つめる。が、
桜子「あなたじゃないわ」
欧介、優しく微笑み、小さくうなずくと、
欧介「わかってます」
桜子、あふれる感情を隠すように顔を背ける。大粒の涙がこぼれ落ちる。
その肩にそっと手を添える欧介。
桜子は彼の肩に頭を押しつける。
桜子「(唇を噛み締め)10秒だけ……このままで……」
その頃、魚春では若葉が掃除をしながら欧介を待っている……。東十条も桜子を待っていた……。
10秒が過ぎ、頭を上げ、離れる桜子。その顔は晴れやか。
桜子「たいへん失礼しました。もう大丈夫。ありがとうございました」
と、笑顔で去っていく。

(第10話)失恋で仕事に支障をきたす同僚に対する桜子の言葉……
桜子「だから何度も言ってるでしょう。恋になんか落ちちゃダメ。あんなものに落っこちるから人生とっ散らかっちゃうのよ。舞い上がったり落ち込んだり。そんなの単なるエネルギーのロスよ。本当に幸せになりたかったら、一時の病気よりも冷静な判断力。どんな誠実な男よりも信じられるのはお金。お金は絶対女を裏切らない」
若葉「あのー……欧介さんのことなんですけど」
桜子「なあに? あの誠実なだけでお金のない、若葉ちゃんの彼氏がどうかした?」

(第10話)佐久間と真理子の結婚の馴れ初めを聞く桜子。
佐久間は、真理子の気持ちを他の誰かに奪われそうになった事があると話す。真理子に差し出した、たった一つのプレゼントに負けそうになり、彼は死ぬ気で彼女にプロポーズしたのだと語る。
桜子は、そのプレゼントをしたのが欧介だと気づく……
佐久間「真理子にとって、それが本当に大切なものだったんだ。その人の一番大切なものって世間の価値じゃわからないんだよな」
その後、台所にいた佐久間に話しかける桜子。彼女は、自分なら佐久間のプレゼント(ティファニー)を迷わず選ぶなと話すと、
佐久間「あなたの価値観はいつもストレートでわかりやすい。でも普通はね、何が自分にとって一番大切なのか気づくことのほうが難しい」
桜子「どういうことですか?」
佐久間「それを失くす前に気づくことができればラッキーだ。でも多くの人は、失くしてしまってから気づくものでしょう。ぼくは、真理子を失いそうになったとき、やっとわかった。彼女がどんなに大切か。だから土下座までして手に入れたんですよ。身近にあるときはわからない。失ったとき、はじめてその大切さに気づく。しかもそれがその人にとって、一番大切なものだったりするから始末におえないんですよ」
桜子「……」

(第10話)桜子は挙式の途中、欧介が頭の怪我をして容態が急変したという知らせを耳にし、教会を飛び出し、欧介のいる病院へ無我夢中で向かう。だが、それは誤報だった。
その翌朝、桜子は欧介の前に現れる……
桜子「お金には変えられない、たった一つの大切なものがあるとしたら、それは……。つまり、結論から言いますと。……え、いや、結論って言うか……。今さら気づくのも何なんですけど、お金持ちじゃない人はいてもいなくても同じ、そう思ってました。でもそうではなかったんです。あなたは、いつの間にか、ずっと前から、わたしの中に、いた……?」
欧介「あ、ありがとうございます……」
そこへ間の悪いことに、小学生が宿題の手伝いをしてくれと二人の間に割って入ってくる。それを無下にできない欧介。教え終わると、桜子に向かって、
欧介「お父さんを見送りに行ったとき、バス停であなたはこう言いましたよね。いつか王子様が迎えに来ると。そしてそれはぼくではないと。(苦笑)ほんとに、王子様なんてがらじゃないし。自分でもそう思ってますから。どう考えても、ぼくはあなたにふさわしくない。だってそうでしょう。そんなの桜子さんらしくないですよ。今なら東十条さんのところに戻れるじゃないですか。そのほうが桜子さんのためだし。一度決めたことだし」
と、桜子を振る。
桜子「……わかりました」

(第11話)欧介が、ニューヨークの大学で数学を教えることになり、送別会が佐久間の家で開かれる。桜子はだいぶ酒をあおり、酔っ払う。それにからむ粕屋……
粕屋「あんたもね、あの合コンさえ行かなければ、すんなり、玉の輿に乗ってたのにねー。しかし! こんな貧乏人に一瞬でも走ったあんたを見なおしたじょー」
桜子「ばっかじゃ中目黒。なに祐天寺」
一同「あ……」
桜子「こんな人に走ったなんて、神野桜子、一生の不覚です。何がニューヨークよ。何が数学よ。この人はね、貧乏が趣味なの。貧乏が生きがいなの。貧乏じゃないと生きていけないの」
欧介「……」
桜子「お金しか愛せないわたしをゆがんでるって言うけど、この人だって同じくらいゆがんでるじゃない。結論から言いますと、お互いのゆがみを強調するだけで、最もご縁のない相手なんです」
欧介、苦笑。
桜子「ニューヨークに行ったって、どうせ逃げて帰ってくるんじゃないのー。とっとと行っちゃえ! 行くなら一生帰ってくんな!」
桜子、欧介の胸倉をつかんで引き寄せ、
桜子「今度は、絶対に逃げんなよ!」
欧介「はい!」

桜子、酔いつぶれる。

(第11話)酔いつぶれた桜子をおんぶして桜子の家へ向かう欧介と若葉。
若葉は、欧介がまた数学を始めたのは、桜子を忘れるためですよねと尋ね、涙を流す。(切ない)
欧介「それは違います。たしかにまた数学をやりたいと思ったのは桜子さんのおかげです。でもそれは、逃げるんじゃなくてもう一度数学を本当にやりたいと思えたからなんだ。桜子さんに出会えなかったら、そんな自分にも出会えなかった」
若葉、笑っちゃう。
若葉「欧介さん」
欧介「はい」
若葉「(泣き笑いで)それ、桜子さんのことが好きだって言ってるんですよ」
欧介、苦笑い。
若葉「欧介さんの恋愛とんまにも程があります」
欧介「若葉さんのこと傷つけてしまって、本当にごめんなさい。いい歳してほんと最低だな」
若葉「ほんと。最低ですよ。(欧介に振り返り)そんなふうだと、欧介さんこそ、本当に大切なもの失くしますよ」
(本気で好きになり、傷ついて、綺麗になる)

(第11話)桜子は、欧介に会いたくて彼のいるニューヨークのアパートへやってくる。
戸惑う欧介に……
桜子「たいへんご迷惑だというのはわかっていて、こんなところまで来てしまいました」
欧介「あの……」
桜子「でも、どうしても、あなたに会いたくて」
欧介「正直言って、今すごく混乱しています。だってそうでしょう」
桜子「いえ。いいんです。わたしが来たくて来ただけで。こうやってあなたにも会えたし」
欧介「……」
桜子、欧介からもらったカメレオンのおもちゃを手に、
桜子「このカメレオンは、わたしにとってたった一つのものでした。これがなかったから、わたしは一番大切なものに気づけなかった。これは、お金には変えられないんです」
と、欧介に歩み寄ってカメレオンを返す。
桜子「ありがとう。……それじゃあ」
欧介、迷った末に覚悟を決め、去っていく彼女を引き止める。
欧介「桜子さん!」
欧介、カメレオンを桜子に向かって投げる。キャッチする桜子。
欧介「あなたが持っていてください。ぼくはもう逃げません。あなたが好きです。たとえ明日、あなたの気が変わったとしても」
桜子「わたしには見えるんです。十年後も、二十年後も。あなたのそばにはわたしがいる。残念ながら、あなたといると、わたしは幸せなんです」

二人は見つめ合う。うれしそうな桜子。二人は近づき……

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